※似非プチ小説、挿絵でたっちゃんが半擬人化な猫になってますのでご注意を(笑)


*赤西ver*




ザー。

冷たい雨がオレの身体の熱を奪い始めてからどのくらい経っただろう。
「みかん」と書かれた古びたダンボール箱に入れられて。
路上にポツンと立つ電柱の下に置き去りにされた。

「YOUなら一人で大丈夫だヨ」

最後にそう言い残して去ったオレの元主人は二度と顔を見せるコトはなかった。
時間だけが過ぎてゆくー。

(寒い・・・)
(オレこのまま死んじゃうのカナ・・・)

そんなコトを考えていた時だった。

「ヤベ!濡れるーっ!!」

バシャバシャ音を立てて誰かが走ってきた。
もちろんオレはスルーされるコトに慣れていたので別にどんな人間かなんて
気にもしなかったしする気もなかった。

・・・ハズが。

「んー!?」

パシャリと足音が止まった。でもオレの前で人が立ち止まるのはよくあるコト。
「可哀想に」とか「野良猫か」とかイロイロ戯れ言を言っては立ち去ってゆく。
今回はなんて言われるだろ?なんて丸くなって考えていた。ーら、

ガバッ

「猫だぁーっvvv」

(!? えっ!?)

「カワイイなおまえv名前なんつーの?」

急に自分の身体が宙に浮いて驚いたオレは思わず爪を立てた。

「イテッ!おまえ爪立てんなって!何もしねーから」

(何もしないって、抱きついてるぢゃん!///)

「よーしよし、おまえはオレと同じ、ビショ濡れ仲間!今日からオレの家族なv」

(はぁ!?)

一方的にそう決めた男はオレを抱き上げて「よっし、家帰ろっかv」と言うと
バシャバシャ小走りで歩き始めた。オレはジタバタ抵抗してみたけれど
久しぶりに感じた人の体温の温もりと頭をナデナデされるのが気持ち良くて、
不覚にもそのまま瞳を閉じてしまったー。





(ん・・・あったかい・・・)

ずっと寒空の下路上で一人震えてたから、このぬくもりは最高に気持ちイイ。
出来たらもう少しこのままでー そう思いながらうっすら目を開けてみた。

(!? だ、だれ??)

ギョッとした。目を開ければソコには知らない男の顔が。
何処だか分からないケドベッドの上。見覚えのない天井。
しかもオレを抱きしめて眠っている。動きたくても動けない。

「ぅにゃーーーっ!!><」

焦ったオレはめいっぱい爪を立てて男の顔に傷を入れまくった。

「いってぇーーーーっ!!!」

男はガバッとものすごいイキオイで飛び起きた。
イテテと顔を両手で押さえながらオレの方を睨んだ。

「おまえっ・・・寝起きにソレはないだろっ!イタタ・・・」

どーゆーしつけ受けてきたんだとかブツブツ言いながら鏡で顔を見ている。
オレは自分の着ていた服が変わって少し大きめな白いシャツになっているコトに
気づいて驚いた。

「コレ、オレんじゃない!」

「・・・え゛っ!?」

「この服、オレのじゃない!オレの一張羅返せっ!」

男はポカンと口を開けてしばらくオレをジッと見つめていた。

「・・・おまえ、猫だよな?」

「見ればわかるでしょ。」

「なんでしゃべってんの??」

「頭イイから。(エヘン☆)」

「ヤベ、オレ夢見てる???」

パシパシと軽く自分の頬を叩いて「よっし!」と気合いを入れた(?)男は
目をギラギラさせてオレを見た。

「おまえは猫だ、だろ?にゃーって鳴いてみ?」

「・・・にゃあ。(棒読み)」

「そうそう!猫はにゃあだよなv良かったA(・∀・)」

そう言ってガバッと抱きついてきた。なんでこの男はこんなによく抱きついて
くるのだろう??頭をナデナデされながらハッと我に返った。

「慣れ慣れしーんだよぶわぁか!!///」

「ゲッ!?」

男をドンと払いのけササッと部屋の隅っこにしゃがみ込んだ。
若干人の体温の気持ち良さにぼーっと油断してしまった。
コイツは正体不明な敵だ!また前の主人みたくいつオレを捨てゆくか
分からない。見た目も軽そうだし、そんなヤツに近づくとロクな目に遭わない。
男は少し驚きを隠せないようだったけれどスグにあの時と同じー
初めてオレを抱きかかえた時に見せた満面の笑みでオレの顔を見つめた。

「やっぱ、しゃべってら・・・スゲぇ!スゲーなおまえっ!!」

ドスドスと興味津々にオレに近づいてくる。

「コッチくんなっ!!アッチいけ!近寄るなハレンチ野郎!」

「はれんちぃぃ??確かにオレは破廉恥ですケドんなコトした記憶はねえっ!」

「オレの服脱がせたぢゃん!一緒に寝てたし!」

「アレはおまえ服ビショビショで風邪ひくじゃんか!寒かったししゃーねーじゃん!」

「オレの一張羅返せ変態っ!」

「残念でしたあんまりボロボロだったんで捨てちゃいました☆」

どんどん近寄ってくる男目がけて近くにある脱いだ服やら空き缶やらポカスカ
投げては当たって、その度男は「イテッ」と小声で言うのだけれどその距離は
遠のくコトはなく。気づけばいつの間にか部屋の四隅の端に追いやられていた。

「おーし追いつめた!観念しろ猫!てかなんでそんな警戒してんの?」

「何もしねーって」とそっと刺し伸ばされた手をオレは思いっきりグサリと爪で刺してやった。

「いてぇぇぇえーっ!!!」

刺された右手を掲げながら男は悲鳴に近い声で叫んだ。「フンだザマミロ」と思った。
でも男の右手をチラッと見たらー 血が出てた。そんなに強く刺したつもりじゃ
なかったのに。ダラダラと流れる血が男の手を伝って地面に赤い染みを作った。

「ご、ごめん・・・なさい」

その言葉で男の動きが一瞬止まったーけれどすぐさま無言のまま救急箱を
持ってきて手早く乱暴に包帯をぐるぐる巻き始めた。さっきまでぎゃあぎゃあ
言っていた男が急にしゃべらなくなった。オレは無意識に男にくっついていた。

(・・・怒ったのカナ?)

思えばこの正体不明な男は何を考えているかサッパリ分からない。けれど
路上で一人雨に打たれ震えるオレをこの温かい部屋に連れてきてくれた。
男の顔を下から見上げてマジマジ見てみると端正な顔立ちをしているなと思った。
せっかくのキレイな顔に傷も入れてしまった。だってオレは本当は野良だから、
人との接し方なんてよくわからないんだもの。この男がイヤツなのか悪いヤツなのかも。

「おまえ、前の主人そーとーなワルだったろ?」

「えっ?」

包帯を巻き終わったのか右手でぐーぱーしながら聞いてきた。でも表情は伺えない。

「別に・・・ふつーだった。」

「じゃあ何かヘンなクセがあった!もしくはおまえに痛い目遭わせてた!」

「別に、何もない。ふつーに育ててくれたよ。なんで?」

「じゃなきゃこんなヒネくれたヤツには育たないっつーの!」

そう言い切るとまたあの笑顔でオレ顔を見てきた。「ふつーに育ててどうやったらこんな
ヒネくれた性格に育つんだって前のご主人様に聞きたい」と笑いながら。
オレはというと拍子抜けした。怒ったものだとばかり思ったらスグに笑い出すこの男、
”謎”だった。

(やっぱり敵だ!意味不明なヤツ!)

オレはそっぽを向いて男から離れようとしたー ら、しっぽをムニッと捕まれた。
男はニヤニヤした顔で聞いてきた。

「おまえさ、名前は?」

「名前なんてない。ー今は”タツヤ”」

「タツヤ、謝るコトはちゃんと出来るんだ〜良い子A(笑)」

「軽々しく呼ぶなばかっ!///」

「オレ赤西仁。仁でイイよ。あ、ご主人様vでもイイしv」

「絶対呼ばない。てか出てく!ばいばいバカ西。」

”赤西仁”の手を払いのけトテトテ玄関の扉に向かって歩いていった。
敵の隣で寝ちゃうなんて一生の不覚!

「おーいタツヤ、メシ食ってけよ。」

ピタッとその一言で足が止まった。オレの大きな両耳は「メシ」というキーワードを
聞き逃してくれなかった。

(そういえば・・・しばらく何も食べてない;)

「どーせおまえのコトだから何も食べてないんだろ?」

「べ、別にっ・・・食べてるもん。」

ぐぅ〜。

タイミング悪くお腹が鳴ってしまった。オレは顔がカァ〜っと赤くなるのを感じた。
チラリと後ろを向くといつの間にかぐつぐつと美味しそうな鍋が用意してあった。
(うっ・・・鍋。美味しそう・・・)
(いや!ダメだダメだ!敵にエサで釣られるっ!逃げなきゃっ)

「ホラ、昨日寝言で言ってたフグのシャブシャブ。食わないんならオレが
 食っちまうぞ〜ホラホラ」

(フグシャブ!!!)

限界だった。無言でズカズカ用意された鍋のある机の椅子にドスッと座る。
目の前のご馳走をはぐはぐ一気に食べ始めてしまった。

「よっぽど腹減ってたんだなタツヤ。まだあるからたっぷり食えよv」

「・・・コレは最後の晩餐だから!食べたら出てくからねっ!」

「うわっ口の周りいっぱいついてる(笑)」

「食べてあげてるんだからむしろ感謝してもらわなきゃっっ」

「ホントヒネくれてんなーおまえ。育てるの大変そう(笑)」

夢中で食べてたからその後”赤西仁”が何をしゃべってたのか全く聞こえなくて。
(こんなに食べたの何日ぶりだろぉ・・・)なんて幸せに浸っていたら目の前が
真っ暗になっていってー。

「ータツヤ?おーい??」

「むにゃむにゃ・・・もう食べられない・・・ぐぅ」

「あ〜あ、また寝てるし!(笑)まぁ寝顔がカワイイからヨシとするかv」





(あれ・・・またなんだかあったかくてふわふわしてる・・・)

ずっと寒空の下路上で一人震えてたから、このぬくもりは最高に気持ちイイ。
出来たらもう少しこのままでー そう思いながらオレは深い眠りに落ちていた。
またもや敵である”赤西仁”が隣で寝てるなんて知りもしないでー




<つづく?>





この似非小説に「ツッコミ」というモノを入れてはなりません。ツッコミどころ満載なため(笑)
落書き日記に落書きしたにゃんこ竜の話を応援してくれた方がいらっしゃったので(Kたん、
Aちゃんアリガトウ!笑)書いてみますた。え?絵が良かった??知りませんよ僕ぁ。←オイ!
言ってた挿絵的なモノは入れましたハイ。。ただ意外と長くなったので途中で書くのやめて
中途半端になっちゃったので煮え切らないままに(笑)続編…読みたい方がいれば書きます!
分かると思いますケド前の飼い主はジャニーさんですスミマセン適当で!(笑)今度はゆっち版を
書こうと思います〜*今日のわんこは何処にー??フリーダム真下で申し訳なひっ(・∀・;)
ゆっち版はちゃんと終わるんじゃないカナ??仁の場合たっちゃんがなつくまで時間がかかる
という勝手な設定(笑)反抗的な野良猫たっちゃんという痛い設定に一人で萌えてます☆(滅)













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